2018年5月28日月曜日

会長挨拶

あらためて歴史を想う

学友会会長 山田勝重(昭37卒)

   2018年1月から仮校舎へ移動して、狭いながらも新装になった校舎で教職員と生徒達の新たな生活が始まりました。旧校舎の解体工事の際には、騒音や振動などで何かと騒がしく、生徒達も何かと不便さを余儀なくされてきたかとは思います。立派な新校舎とも見紛う仮校舎が建築される前に校庭を掘り返した中から赤いレンガのかつての校舎の土台が遺構として現われ、くっきりとその形を現してきたのを目の当たりにして歴史の長さを実感すると共に懐かしさが蘇りました。
  昨年2月の卒業式の際に今の2年生を新入生として迎えたころは校庭の端にあった桜が満開だったことも思い起こされました。
  私が3年生であった1958年前後から当時すでに老朽化していた木造の校舎が順次取り壊され、校庭は使えなくなり、運動会は東大農学部のグラウンドで行われていました。鉄筋の校舎として最初に建てられた第3校舎に仮設校舎から移ってから1962年に卒業するまでの間ずっと校舎の工事が連続して行われていました。しかしながら当時生徒であった私は工事中の校舎での学校生活に特に不便さや不快さを感じたという記憶はなく、かえって第3校舎での卒業までの学校生活が今となっては懐かしい思い出となっています。既に取り壊された校舎の中でも最も古かった第2校舎が取り壊された跡には土器などの歴史的に重要な遺物も発見され、発掘や研究などのために校舎の建築工事が遅れることも懸念されます。誠之小学校が建っている文京の地は弥生の時代から人々の暮らしがあった地であったことから察するに、歴史の長さを示す証であると同時に、太古の時代からの悠長な時の流れの中で、校舎が全面的に建て替えられ、ちょうど開校145 周年にあたる2020年に校舎が完成することは誠之小学校の長い歴史のうえで画期的なことで感慨深いところです。
  2020年は東京オリンピックが開催される記念すべき年でもあります。ビジネスや観光で日本を訪れる外国人が年々増加しているのに加えて、永住者となって日本に居住して仕事をし、生活している外国人も増加の一途をたどっています。日本の社会のグローバル化がますます進んでいく中で、既に小学校1年生から英語を学び、外国の歴史、政治、文化に親しみ、いずれパソコンやスマートフォンなどのツールを駆使しながら世界の政治、文化、経済などの分野で自ら情報や知識を身につけ、世界に羽ばたいていく人材を育成するための教育を実践していくことこそがこれまで数多くの優秀な先達を輩出してきた誠之小学校に期待される役割ではないでしょうか。新たな教育の礎を築くことを期待してやみません。

(学友会誌第41号より転載)

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